ジゴ・ダニョー(仔羊モモ肉)のロースト
フランスのビストロでは定番のジゴ・ダニョーのロースト。
向うでは一本のモモ肉をローストして切り分けて食べさせてくれるが、
それは量的にもオーブンのサイズ的にも不可能なので、ブロックで購入したものをローストしてみた。
サイズ的に二回に分けて食べようと切り分けておいたが、食べられるかもと思い両方ローストしたので、肉の塊が二つある。肉一つのブロックの大きさは拳大。
- ジャガイモ(メークイーン)を1cm角に切り分け水に晒しておく。
- ニンニクは塊で4カケ用意する。
- エリンギは棒状に切り分ける。
- 芽キャベツは半分に切っておく。
- プチトマトはヘタを取っておく。
- エシャロットもしくは玉ねぎは適量、串切りにしておく。
- ジャガイモの水をよく切り、テフロンのフライパンでバターソテーし、塩、胡椒しておく。ここでは表面を固めるだけで良い。(火を通しすぎると後で崩れてしまう)
- ジゴ・ダニョーに塩、胡椒してフライパンで表面を焼き固める。塩、胡椒は全面に行うこと。焼きあがるとペーパータオルで余分な脂を拭いておく。
- ココットナベ(なければ土鍋でも良いし、普通の鍋でも良いがなるべく厚手でオーブンに入れられ、フタが出来るもの)にバターを溶かし、中央に生のタイムを敷き詰め、その上にジゴ・ダニョーを置き、周りにニンニクの塊を置き、180℃のオーブンで15分程度ローストする。
- 15分立つとジゴ・ダニョーを取り出し、ジャガイモ、エシャロット、芽キャベツを敷き詰め、その上にジゴ・ダニョーを戻し、さらに上からタイムで覆い、周りにエリンギ、プチトマトを置いて、今度はフタをして 15分ブレゼする。
- 途中、肉の焼け具合を肉に鉄串を刺して確認する。(肉の中央まで鉄串を刺し、20秒ほど置いておき、引き抜いた鉄串を唇の下に当ててみて、生暖かかったらベスト。冷たいとまだ焼けていない。熱過ぎると火が入りすぎている)
肉がロゼに仕上がっているようであれば、オーブンから取り出す。(写真は焼きあがった状態)
- オーブンから取り出すと、一度、ジゴ・ダニョー、野菜を取り出し、煮汁を別の鍋に移し、そこに白ワインを100ml 程加え、取り出したプチトマト、タイムを加えて煮ていく。
ココット鍋に肉と野菜を戻し、フタを少しすらした状態で暖かい場所で保温して肉を休ませる。
- 煮汁が半量くらいまで煮詰まると、トマトはココットに戻して、ソースを漉す。
- 漉したソースに水を少量加え、火にかけながらアクと余分な油を取り除く。
- ソースが水を加える前とほぼ同量になったら、味を見て、ソースの濃度が薄いようならフォン・ド・ヴォーかブイヨンを加え、さらに煮詰める。
- 塩、胡椒し、バターモンテするか、バージンオイルを加えて乳化させていく。(バターで乳化させてもバージンオイルでもどちらでも構わない。お好みで。)
- 肉を切り分け、肉の上に軽く、塩、胡椒し、皿に盛り付けてソースをかけて完成。
仔羊だが脂身が少ないので軽めの赤ワインで楽しめる。特にバージンオイルで乳化させたソースであれば、ボージョレの一級のものや、イタリアの軽めの赤(バルポリチェラ、バルドリーノ、キャンティー、モンテプルチアーノ・ダブルッツォなど)でも楽しめる。
ボルドーワインで楽しみたい場合は、ソースにフォン・ド・ヴォを加え、白ワインの代わりに赤ワインを用い、最後はバターで乳化させたほうが良いかもしれない。あわせるなら左岸だろう。
余談ながら、この時あわせたボージョレ 1erCre ブルイーの 2002 年は、前菜のマグロのタルタルの時までは美味しく飲めたが、羊の時点で完全にくたばってしまい、酸っぱくなってきた。ブルゴーニュグラスを急遽小さいグラスに切り替え、さらに冷やしてみたが、多少、酸を感じにくくなったものの状態はよくなかった。
一週間前に飲んだデュブッフのムーラン・ナヴァン 2001 も味は大分抜けていたので、ボージョレは一級畑でも5年を過ぎると厳しくなるのか、それとも、単に当たりが悪かったのかは不明である。