おせん考
今回もレシピをずる休みして、グルメ関係の番組への感想です。
現在、日テレ系で放映中の”おせん”というドラマに対しての感想ですが、原作はモーニング系で連載されているものだそうです。
で、原作は読んでいないので、あくまで今までの放送された内容のドラマに対してのコメントですので、軽く読み飛ばしてください。
まず、一番気になったのが新人さんの給与。月給¥50000。いや、これ労働基準法で定められた最低賃金が絶対に守られていません。
単純に月20日、1日 8時間労働で考えて、月当たりの総労働時間は160時間。
ドラマの設定が関東圏だとすると、最も安い群馬県で¥664。
(ソース)
とすると、最低でも、¥106240の給与が必要です。
住み込みであることと、食事が出るといっても、住んでいるのは雑魚寝の共同部屋。食事も料理店ですから、一食¥300程度で可能でしょう。(会社から補助が出されている従業員食堂の値段はおよそその程度だと。)
としたところ、控除で¥50000 は高いと思えますし、そもそも、給与は全額手渡しが必須ですので、食費については後からその都度徴収するシステムにするべきでしょう。
ましてや料理店の労働時間が 8時間で済むはずがなく、どう考えても労働基準法違反です。まあ、現在、新人さんが試用期間であるというのならまだ話はわかりますが、試用期間は半年までだったと思うので、それを過ぎると明らかに違反です。
まあドラマのことなので、とやかく言う事ではないのですが、昨今、マクドナルドの名ばかり管理職の問題などがクローズアップされています。企業コンプライアンスが問われている時代に、ちょっと無神経だなとは感じました。
特に料理界は、コンプライアンスが全くないことが多く、自分たちの世界のルールを押し付けることが多いです。
休憩時間中でも仕事を命じるだけに止まらず(これはドラマでも、そのようにとられる部分がありました。あくまでお願いとしているのですけど。)、就業時刻前の出勤を命じたり、労働基準法で定められた労働時間を越えて働かせ、残業とは認めないなどざらで、パワハラ、暴力なども残っているところもあります。
そのくせ、先の船場吉兆でもそうでしたが、顧客に対しての最低限のマナーも守れず、使い回し、偽装、改竄などもある始末。
つまり、金儲け主義が定着しているのでしょう。
このドラマのなかでは、さすがにパワハラ、暴力はないようですが、制作サイドも現在問題になっている事象を少し考慮するべきでは都は思います。
さて、もう一点は初回放送のふろふき大根について。
面取りをせずに沸騰させずに長時間煮る。面取りした部分を捨てるのではなく、同じ労力をかけるなら捨てる部分がないようにかける。とありましたが、一見、良いことのように思えますが、いくつか突っ込みを。
まず、面取りした大根を捨てる必要は無く、賄いで食べれば良いのであって、もったいなくはないと思います。私たちもトゥルネと言って、にんじんなどを魚雷型に切りますが、削った部分はフォンを作るときなどに使います。
幾らでも再利用可能です。
で、これも、そこまで突っ込む必要はないと思うのですが、長時間(しかも薪をくべて)加熱するとすると、エネルギーの無駄遣いで、大根を捨てるとしても、それ以上のロスだと思います。
ましてや京都議定書の関連で、CO2の削減が必要とされているのに。
手間をかける前に頭を使うことも必要なのではないでしょうか。
とは言え、ドラマとしては楽しく見させてもらっています。また、ドラマとして、これくらいインパクトのあることも必要なのは理解していますが。
(そう言えば、ごくせんも優等生が悪いことをするような話があり、それに対し、精神科医の和田先生が苦言を呈していらっしゃいましたね。)
まあ、制作サイドも、もう少し、昨今の事情を考慮に入れてもらいたいと思う事だけは確かです。