帆立貝のポワレ・タイラギ貝のクリュ、キャビア添え、バベルの塔
ポワレした帆立の貝柱の上にトマトソース、その上に、刺身用のタイラギ貝の貝柱をマリネしたものを乗せ、キャビアをたっぷりと乗せた一品です。
この料理は学生時代に試行錯誤して、この形になり、私のスペシャリテとも言える皿で、イベントで何を作ろうか?と聞いたとき、まず、これが上げられる一皿。
しかし、タイラギ貝が入手しにくくなり、キャビアの高騰で、さらに厳しくなりました。
今回も、タイラギはレストランに仕入れてもらい、丸物を裁いて貝柱を取り出し、
キャビアは、アメリカ産のもので、昔使っていたオシェトラやセブルガに比べると、いまいちでした。
思い切って、ベルーガを使うべきだったかもしれません。
閲覧してくださっている方も、なるべく、イラン産かロシア産のセブルガかオシェトラを、お求めください。
色々ネットで探してみると、格安のキャビアを見つけました。
次回は、私も、これらを使ってみようと考えています。
尚、以下、一人、3つの塔で、4人分です。
- [1] タイラギ貝と帆立貝、野菜の下準備
- アスパラ 12本は穂先を切り、塩茹でして冷水に落とし水気を気って、冷蔵庫に冷やしておきます
- 帆立貝の貝柱 12コは、硬い部分を切り取り、冷蔵庫に入れておきます。
硬い部分は、角切りにしてタルタルでも作り、冷前菜やアミューズに、お使いください - タイラギ貝の貝柱 6コをセルクルで型抜きします。(下記写真参照)
- くり貫いたタイラギ貝の貝柱を水平方向に 1/2 にカットします。
バージンオイルをふりかけて、マリネしておきます - 余ったタイラギ貝の貝柱も角切りにして、先の帆立の硬い部分とあわせ、タルタルにでもしてください
- プチトマト 3コを 1/4 カットしておきます
- イタリアンパセリか、セルフィーユの葉を 12枚、摘んでおきます
- [2] フレッシュトマトのソースを作る
- 大き目のニンニク 1カケを細かな、みじん切りにします
- トマト 1コのヘタをくり貫き、反対側に十字の切込みを入れます
- 沸騰した湯にトマトをくぐらせ、冷水に落とし、皮を剥きます
- 水平方向に半分に切り、種をティースプーンなどで取り除き、乱切りにします
- テフロンパンにオリーブオイル、みじん切りにしたニンニクを<入れ弱火にして、ニンニクが焦げないように、炒めます
- ニンニクに火が入ったらトマトを加え、最初中火で水分を飛ばしながら煮詰め、水分が少なくなってくれば弱火にして、水分が飛ぶまで加熱します
- 味を見て、塩、カイエンヌペッパーで味をつけ、バージンオイルを大匙 1 程度加えておきます
- [3] 帆立貝をポワレし、盛り付ける
- テフロン加工のフライパンにオリーブオイルを入れて熱し、塩、カイエンヌペッパーを振った帆立貝を強火で両面焼き上げ、表面が固まると中火にして、半生程度に仕上げます
- ペーパータオルの上に帆立貝をとり、余分な油を取ります
- トマトソースを暖めます
- マリネしておいたタイラギ貝に、塩、カイエンヌペッパーを振ります
- 皿に帆立貝を 3つ盛り付け、その上にトマトソース、その上にタイラギ貝、その上に、キャビアを盛り付けます。25g 程度のキャビア 1ビンで、2人前 取れます
- 周りにアスパラとプチトマトを飾り、プチトマトの上にイタリアンパセリかセルフィーユを飾り、トマトソースの残ったオイルの部分を周りに流して、完成です
食べるときは、フォークを上から突き刺し、縦にナイフで切り、全ての部分を同時に食べてください。
ポワレした帆立の甘さ、酸味のあるフレッシュトマトソース、タイラギの食感、キャビアの風味と塩味。これらのハーモニーが、この料理のポイントですので。
キャビアを使っていますので、シャンパンに限ります。(キャビア単体なら、冷凍庫で冷やした上等のウォッカも捨てがたいですが
個人的には、力強いボランジェが好きなのですが、この料理には、もう少し中庸の取れた、ルイ・ロデレールなどでしょうか。
パリ在住時代、マドレーヌ広場にある(今もあるとは思います)
キャビアール・キャスピアというキャビア専門店の二階にレストランがあり、そこで、各種キャビアのセットやスモークサーモンなどを食べさせてくれるのですが、そのレストランで飲むシャンパンが、たいてい、このどちらかでした。
脂と旨味の強いスモークサーモンや、プレッセと言われる、まるで佃煮のようなキャビア(日本では見かけません)にはボランジェ、他のキャビアならルイ・ロデレールと、使い分けていました。
もっとも、大人数で行けば、両方、オーダーしていましたが。