仔羊の背肉のロースト ジュ・ダニョー。トリュフ風味のじゃがいものピュレを添えて
本作は、三国さんのルセット本を参照しました。
そのルセットに「ポムピュレがあれば、ソースは……」とのくだりを、25年以上前に読んでいたはずなんです。そのはずなのに、見事に忘れていたわけです。
ポムピュレとの組み合わせは、あるのではないか? と気がつくきっかけは、もうなくなったが、今は名古屋で活躍されているシェフの当時の店で、常に、価格設定した《お任せコース》でも、「その皿だけはフルポーションで」としていた、サーモンのティエド、フランボワーズのヴィネグレットという料理があり、その皿は、ほぼ、茹でたじゃがいも――ときに紅芋のときもあった――が添えられていたのですが、一度だけ、ポムピュレの時がありました。
それを自分で真似して、ソースはアイヨリに変更し、何度か作っていたことがありましたが、時にポムピュレで作ることもあるんです。ただ、この皿の場合は、バターではなくバージンオイルで芋を伸ばします。
ポムピュレを、それで何度が作ったので、そう言えばアシパルマンティエがあったな。と、こちらはバターで芋を伸ばしたポムピュレを作ると、なかなか行けると思い、また、ロブションさんの本を読むと、ラパンの料理にて、料理紀行文の著者の方が「ポムピュレが美味しすぎて、バランスが……」とのような文章も見ており、ロブションさんのポムピュレには到底、敵わないのは当然としても、ポムピュレの美味しさを知っていたわけです。
今回、骨を外した仔羊があり、どう使うか、考え、ルセット本を漁り、前述記事を見つけ、昔は気が付かなかった可能性に気が付き、やってみたのが、この一皿です。
- [1] 肉と野菜の下処理
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- 仔羊背肉は骨から外し、脂も、ほぼ外します
- すじ肉、骨はジュに使いますので、取っておいてください
- 蕪は皮を厚めに剥いて1/4にカットして面取りをして塩茹でします
- 芽キャベツ、アスパラの穂先も塩茹でし、冷水に落とし水気を切ります
- 玉ねぎ1/4個を角切りにし、ニンニクは皮付きのまま半分に切ります
- [2] ジュ・ダニョーを作る
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- 骨とスジ肉をフライパンで軽く色づけます
- 油を捨てて玉ねぎ、ニンニクを炒め、軽く色づいたらバットに肉と共に入れて、オーブンで全体に色づくまで焼きます
- 脂を切って、鍋に移し、白ワイン100mlでフライパンとバットをデグラッセし、鍋に入れ、ブイヨンを50ml加え、タイムを加え40分煮込みます
- それを漉して(この際、肉は別に取っておくこと)、1/2をとりわけ(とりわけた残りは、お手軽ナヴァランとして、後日、掲載します)、1/3まで煮詰めておきます
- [3] ポムピュレを作る
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- 皮付きの芋 2個(メークイーンを使ってますが、男爵のほうが、いいかも)を串が通るまで水から30分ほど茹で、冷水に落とし、すぐに皮を剥きます
- 熱い状態で、3×2×5cm くらいのバターを小さく切り、芋を潰しながら加えていきます
- 芋の温度が下がってきたら、湯煎の上で温めつつ混ぜます
- 生クリーム45ml を加え、なめらかになるまで混ぜ、塩、胡椒で味を整えます
- [4] 仕上げ
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- 背肉に塩をして表面をオリーブオイルでソテーし180度のオーブンで6分ロティーし、6分休ませます
- オーブンを100度に落として5分ほど低温で火入れし、休ませます
- 芽キャベツ、アスパラをバターソテーします
- ポムピュレは湯煎の上で温めておきます
- ジュはさらに1/2まで煮詰め、味を見て、塩、胡椒します
- 温めておいたポムピュレにトリュフ・タルトファータを加え香りを引き立てます
- 休ませておいた背肉を切り分け、温めておいた皿にピュレ、肉と置き、まわりに野菜を盛り付け、ソースを流し、タイムの枝を飾って完成です。
トリュフ・タルトファータがいいものではなかったのですが、いいものであったり、フレッシュトリュフの微塵切りを使うなら、ポムロールかサンテミリオン(フィジャックあたりが良さそう)でしょうか。
トリュフ抜きでも、美味しいです。その場合は、マルゴーなどの柔らかめのボルドーが、いいでしょう。今回、合わせた、オーメドックのラネッサン2012は、弱すぎて、いま二つでした。