広東拷鴨
ある人からお土産でもらった広東拷鴨です。焼いたものをいただき、切って皿に盛り付けたものです。
昔はよく台湾で食べました。一度大学時代、横浜中華街の同發でもこれを食べました。しかし、関西ではなかなか見かけず、ホテルの中華なども皮を輸入したとしか思えない北京ダックしか置いてません。(丸まま一匹持ってきて、目の前で切り分けてくれないので、皮だけの輸入と思えます。違うなら丸まま一匹持ってきて、目の前で切り分けてほしいです)
なので、このお土産は大変嬉しいものです。
上が丸ままの状態です。腹の中に入っていたスープは別につけてくれています。ちなみに、これは暗拷(アンカオ)という焼き方で、インド料理に使うタンドールと似た釜で焼き上げたもの。明拷という調理法もあり、こちらは子豚の丸焼きなどに使われます。
同發で焼き上げられた広東拷鴨
尚、このお土産は同發のものではありません。
切り分けたものにはお腹の中の汁と、別に芥子と豆板醤を 1:1 で混ぜた物を用意し、汁をかけ、その上に少しだけ芥子と豆板醤をあわせたものを乗せて食べます。
汁はほのかに甘味がある肉汁のような感じで、トロみがあります。拷鴨は北京ダックと違い、皮も身も食べ、身も美味しいものです。皮はパリパリの北京ダックと違い、しっとりジューシーで、その分、脂も強く、締りが欲しくなるので、芥子と豆板醤のあわせたものを乗せて食べます。
特に尻尾の部分(焼き鳥で言う三角若しくはボンボチ)は特に脂が強く、臭いも強いのですが、おいしい部分です。頭も半分に割って、脳味噌も食べますが、これは仔牛の脳味噌ほどの味はありません。
かなりの分量があり、三人で 2/3匹 ほど食べました。(残りは今日の私のオカズ)
久しぶりだったこともあるでしょうが、ジューシーさと香り、肉質、どれをとっても素晴らしい広東拷鴨でした。
広東拷鴨は鴨料理の中でも有数の料理だと思います。かの有名なトゥール・ダルジャンの鴨はまだ食べたことがありませんが、ルキャ・キャルトン(現、サンドランス)にて、アラン・サンドランスの名作、鴨のアピシウス風を食べたことがありますが、サンドランスの鴨アピシウスよりも、こちらの方を私は上位にもってきます。
台湾の北京料理店 天厨 の北京ダックも素晴らしく、これと同レベルと考え、私の中では最高峰の鴨料理に思えます。